マイナンバー情報、連携「不十分」=手続き4割で照会なし―デジ庁に改善求める・検査院
地方自治体が国民のマイナンバー情報を国などに照会することで、行政手続きを簡素化する事業について会計検査院が調べたところ、対象となる手続きの約4割で照会実績がなかったことが15日、分かった。検査院はマイナンバー情報に関する連携が不十分だと指摘し、照会システムを管理するデジタル庁に改善を主導するよう求めた。
検査対象となったのは、国民が行政手続きを申請する際に必要な住民票や課税証明書の写しといった添付書類の提出を、マイナンバー情報を活用することで省略する事業。国は2022年度までの9年間で、マイナンバー情報の提供システムの整備運用費として計約749億円を投じ、地方自治体にも計約1400億円を交付している。
検査院が、宮城や兵庫、福岡など11県とその全市町村を含む計451の自治体を対象に、22年度の手続きを調べたところ、1258件のうち485件(38.5%)で全く情報照会がされていなかった。
一方、一部の自治体は積極的に情報照会をしており、照会件数自体は全国で3000万を超え過去最高だった。
検査院は、情報照会を行う自治体と行わない自治体の差が顕著だと指摘。システムを管理するデジタル庁が所管府省庁に照会状況のデータを提供し、連携して活用を呼び掛けるなどの取り組みを求めた。
デジタル庁は「基本的には所管府省庁で検討されるべきだが、制度全般を推進する立場として重く受け止めている。所管府省庁の取り組みを支援していきたい」とコメントした。
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