2024-05-15 12:37社会

1300人から80億円募ったか=コンサル会社社長ら8人逮捕―社債投資の無登録勧誘容疑・警視庁

株式と社債販売の仕組み

 無登録で社債への投資を募ったとして、警視庁生活経済課は15日までに、金融商品取引法違反(無登録営業)容疑で、不動産コンサルティング会社「ザ・グランシールド」社長の中村佳敬(46)=東京都江東区豊洲、経営コンサル会社「トラステール」社長の高橋章(61)=千代田区内神田=両容疑者ら8人を逮捕した。同課は認否を明らかにしていない。近く、法人としてのグラン社も同容疑で書類送検する方針。
 同課は中村容疑者らがトラステールの社債や株式の販売を通じ、昨年2月ごろまでの約6年間で、36都府県の計約1300人から約80億円を集めたとみている。
 逮捕容疑は2020年4月~23年1月ごろ、国の登録を受けずにトラステールの社債を販売し、東京や兵庫などの投資家16人から計約1億3000万円を集めた疑い。
 同課などによると、中村容疑者らは17年2月から、トラステールの社債を販売。同社を「病院が金融機関から融資を受ける際の保証会社だ」と紹介し、「5年後の満期には必ず元本が戻る」などと勧誘していた。実際には保証会社としての活動実態はなかったが、同社は販売額に応じ紹介料をグラン社に支払っていた。
 中村容疑者は17年、トラステール側から株式の販売を依頼された。6年間で報酬として少なくとも計10億円を受け取り、高級外車の購入や、月額250万円のマンションの家賃、飲食店での遊興費などに使ったとみられる。 
 グラン社は不動産や株式の運用などに関するコンサル会社として、16年に設立された。約10億2000万円の負債を抱え、23年12月に東京地裁で破産手続きの開始決定を受けた。
 同社は矯正歯科「デンタルオフィスX」の運営にも関与。「モニターになれば矯正費用が実質無料になる」と顧客を勧誘したが、クリニックが突然閉店しトラブルとなった。
 トラステールは14年に設立されたが、23年10月に同地裁で破産手続きの開始決定を受けた。

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