厳罰化、与野党賛否割れる=選挙妨害巡り議論活発化へ
4月の衆院東京15区補欠選挙で演説妨害の疑いのある行為が問題化したことを受け、与野党は公職選挙法の厳格運用を含めた規制強化が必要との認識でほぼ一致している。ただ、憲法が定める表現の自由との整合性の観点から、同法改正の是非を巡っては意見が割れる。6月23日の今国会会期末に向け、法改正を巡る議論が活発化しそうだ。
「ぜひ議論を進め、必要な法改正をやっていきたい」。自民党の茂木敏充幹事長は13日の記者会見で、公選法改正による厳罰化に意欲を示した。
東京15区補選では、政治団体「つばさの党」の関係者が他陣営の街頭演説にマイクでやじを飛ばしたり、街宣車を追い掛け回したりし、他陣営は遊説日程の告知を控えるなどの対応を迫られた。警視庁は13日、公選法違反(選挙の自由妨害)の容疑で同団体への強制捜査に踏み切った。
各党は今回の行為について「選挙妨害以外の何物でもない。実効性のある対応を検討したい」(茂木氏)として何らかの対応が必要との立場で足並みをそろえる。ただ、具体論は割れている。
日本維新の会は現行法では不十分との立場から、独自の公選法改正案の概要を公表。吉村洋文共同代表(大阪府知事)は13日、記者団に「今まであり得なかった事象で、何らかの策は取る必要がある」と述べた。国民民主党の玉木雄一郎代表もX(旧ツイッター)に「党で法改正を議論しており、成立を図りたい」と投稿した。
これに対し、立憲民主党の泉健太代表は記者団に「法制化の作業を進めている」としつつ、「現行法でできることを見定めたい」と説明した。
2019年参院選で安倍晋三首相(当時)にやじを飛ばした男女を排除した北海道警の対応が問われた訴訟では、一審判決が「表現の自由が侵害された」と認定している。
共産党の小池晃書記局長は記者会見で、厳罰化について「時の政権に盾突くような言論を規制する方向につながりかねず、非常に危険だ」と指摘。「現行法に基づいて厳正に対応していくのが筋だ」と強調した。
13日の強制捜査を受け、今後の推移を見極めたいとの声も出ている。公明党の山口那津男代表は記者団に「まず現行法をしっかり議論し、足らざるところがあれば新しい制度が検討されるべきだ」と述べ、道路交通法なども含め、現行法の適切な運用を優先すべきだと訴えた。
[時事通信社]
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