欧州音楽祭が開幕へ=ガザ侵攻巡る「政治論争」が影―スウェーデン
【ロンドン時事】欧州最大の音楽祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」が7日、スウェーデン南部マルメで5日間の日程で開幕する。欧州で絶大な人気を誇る毎年恒例の文化とアートの祭典だが、今回はパレスチナ自治区ガザを侵攻するイスラエルの参加を巡り抗議が相次ぐ。会場周辺は厳戒警備が敷かれ、ボイコット要求も続出するなど、「政治論争」が影を落としている。
「ユーロビジョン」は1956年に初開催。74年にはスウェーデンの伝説的ポップグループ「ABBA(アバ)」が優勝し、今年はそれから50年の節目に当たる。欧州と周辺国などの計37カ国の代表が出場、さまざまなパフォーマンスを競い合う。
そうした華やかさと裏腹に、開催地からは緊迫した雰囲気が伝えられる。ガザ侵攻で批判されるイスラエル代表が参加を認められ、反発が広がっているからだ。反対派は期間中に連日デモや集会を計画。イスラエル排除を求める署名やボイコット運動も起きている。当局は衝突やテロを警戒し、重装備の警官を増員したり通行制限を設けたりして不測の事態に備えている。
AFP通信は開幕に先立ち、「世界の耳目を集める政治イベントと化すとは考えも及ばなかった」「紛争の影響で摩擦が引き起こされている」と戸惑いをあらわにする大会関係者らの声を報じた。
ユーロビジョンが論争の的になったのは今回が初めてではない。2022年からのロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシアは同年以降の大会参加を禁じられた。22年大会では戦渦のウクライナが優勝し、戦争の惨状に改めて関心が高まった。
[時事通信社]
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