2024-04-18 17:20スポーツ

苦悩を経て「後悔なし」=桃田、光と陰の間で―バドミントン

記者会見で笑顔を見せるバドミントン男子の桃田賢斗=18日、東京都新宿区

 光と陰の間を何度も行き来した。その競技生活を、「トータルとして見たら、すごく幸せな時間だった」と振り返る。数々の金字塔を打ち立てた桃田が第一線から退く。
 2018、19年の世界選手権を連覇し、東京五輪でのメダル獲得の期待を一身に背負った。歯車を狂わせたのが、20年の交通事故。右眼窩(がんか)底骨折の手術を受け、体が元のようには動かなくなった。「自分が思い描いているプレーと、自分ができることとの差が一番しんどかった」
 その東京五輪は1次リーグで敗退し、捲土(けんど)重来を期したパリ五輪の切符は若手の奈良岡らに奪われた。「すごく悔しいが、後悔はない」。心が折れそうな時は、いつもファンや仲間が支えてくれた。
 違法賭博問題の不祥事から出直した時もそうだった。復帰を待ってくれていた人の思いを受け、「勝つことだけが全てじゃない。周りから愛されるような選手になりたい」と誓った。若き日に犯した過ちは、自身の心を成長させた。
 今後は全日本総合選手権などの国内大会でプレーを続け、社会活動にも携わっていく。「スポーツの楽しさを感じてもらえるような活動をして、まだまだバドミントン界に貢献したい」。明るい声で新たな一歩を踏み出した。
[時事通信社]

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