山川、衝撃の満塁弾連発=古巣ファン、最後は沈黙―プロ野球・ソフトバンク
敵地ベルーナドームに響く観客の声が目まぐるしく変化した。ソフトバンクの山川が2打席連続の満塁アーチ。2本目を見届けた多くの観客が帰路へと歩を進めた。
西武に所属していた昨季、不祥事が発覚。オフにはフリーエージェントでライバル球団へ移籍した。10年在籍したチームへの裏切りにも映るのだろう。打席で浴びるのは怒声。その異様なざわつきをバットで一変させた。
六回、変化球を捉えて左中間へ放り込んだ。7点差とする駄目押し弾に起きたのは悲鳴。続く八回は直球を左翼席へはじき返す「理想通り」の一発。沈黙が場内を包んだ。
1試合2発の満塁本塁打はプロ野球史上3人目。西武時代に始めた「どすこい」パフォーマンスも披露した。ためらいはあったが「仲間と盛り上がる」と続けることを決めたという。
強調したのは塁を埋めてくれたチームメートへの感謝で、「僕だけで満塁本塁打は打てない」。古巣のファンから温かい声援を送られる時が訪れるかは分からない。それでも大活躍のこの日が、新天地で認められる大きな一歩になったはずだ。
[時事通信社]
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