米中、対話継続も続く緊張=国防相会談、まだ実現せず
【ワシントン、北京時事】バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は2日の電話会談で、意思疎通の継続を確認した。昨年11月の首脳会談以降、緊張緩和に取り組む姿勢を改めて示した格好だ。しかし、対立の火種は残ったままで、合意している国防相会談もいまだ実現に至っていない。
米ホワイトハウスで安全保障の広報を担うカービー大統領補佐官は会談後の記者会見で、「両首脳は必要に応じて電話で話すことに合意した」と明らかにした。中国政府の発表によると、習氏は会談で「中米関係は安定しており、両国と国際社会のあらゆるレベルで歓迎されている」と胸を張った。
米政府高官によると、今回の電話会談は1月、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)と中国の王毅共産党政治局員兼外相がタイで会談した際に議題となった。当初は1~3月に実施予定だったが、スケジュール調整の結果4月にずれ込んだという。
両首脳はこれまで対面での意見交換を重視してきたが、電話を活用してより頻繁に意思疎通を図る姿勢に転じた。今回の会談でも、台湾や南シナ海の情勢に加え、米国の半導体輸出規制や中国企業系列の短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」など幅広い問題で応酬を繰り広げたが、対立激化の回避では一致した。
実際、懸念されていた偶発的な軍事衝突のリスクは低減しつつある。軍同士の対話再開に加え、東・南シナ海上空で相次いでいた中国軍機による米軍機への急接近などの危険な行動は、昨年11月以降行われなくなった。
ただ、昨年11月に両首脳が合意した国防相会談は、約5カ月がたっても実現していない。昨年12月に中国の董軍国防相が就任し、米政府高官も「近いうちに電話会談があるだろう」と指摘していたが、今回の会談では言及されなかった。
また、中国による対米威圧行動は減少したものの、フィリピンなど周辺国との関係はぎくしゃくしている。3月にはアユンギン(中国名・仁愛)礁周辺で中比船舶がたびたび衝突。日本との間でも東京電力福島第1原発の処理水放出に反発し、水産物の輸入を禁止したままだ。11日にワシントンで開かれる日米比首脳会談では、対中国での連携強化が最大の焦点となる。
[時事通信社]
最新ニュース
-
爆発は「宣戦布告」=対イスラエル報復を明言―ヒズボラ指導者
-
米経常赤字、10.7%増=3期連続で拡大―4~6月期
-
山口ら8強入り=バドミントン
-
富士ソフトへのTOB、2段階に=ベインに対抗―KKR
-
NY株急反発、一時600ドル超高
写真特集
-
日本人メダリスト〔パリパラリンピック〕
-
【近代五種】佐藤大宗〔パリ五輪〕
-
【アーティスティックスイミング】日本代表〔パリ五輪〕
-
【ゴルフ】山下美夢有〔パリ五輪〕
-
閉会式〔パリ五輪〕
-
レスリング〔パリ五輪〕
-
【スポーツクライミング】安楽宙斗〔パリ五輪〕
-
【カヌー】羽根田卓也〔パリ五輪〕