「保護司」公募導入=担い手不足対策、任期延長―法務省検討会
法務省の有識者検討会は28日、犯罪や非行をした人の立ち直りを支援する「保護司」の担い手確保に向けた中間報告をまとめた。深刻な高齢化を踏まえ、公募制の導入や任期の延長などを盛り込んだ。焦点の報酬制導入については結論を先送りした。検討会は10月に最終報告を決定する予定で、法務省は2025年にも保護司法の改正を目指す。
保護司は法相が委嘱する非常勤の国家公務員。ボランティアとして刑務所仮出所者や保護観察中の少年と定期的に会い、生活上の助言や就労援助などを行う。23年1月時点で約4万7000人が活動し、60歳以上が約8割を占めている。
保護司になるには保護司会の推薦が必要。現在は退任する保護司が後任を探すケースが主流で、地域によっては担い手の確保が困難となっている。このため中間報告は、広報誌などで候補者を広く募集し、インターンシップなどを通じて適任者を探す仕組みの導入を提言した。
保護司として長く活動してもらうため、現在は2年とする任期を3年以上に延長することも提唱。新任時「原則66歳以下」の上限年齢は撤廃するとした。会社員などとの兼職を促進するため、企業などに働き掛ける方針も示した。
保護司に報酬を付与する案については「引き続き検討する」とした。検討会では「無報酬に不満を感じる保護司が増えてきた」という声がある一方、「保護司は崇高なボランティア活動だ」と反対意見も出た。
[時事通信社]
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