坂本花織、4回転挑むか=ループ習得も視野―フィギュアスケート女子
フィギュアスケート女子で56年ぶりとなる世界選手権3連覇を遂げた坂本花織(23)=シスメックス=が、今後を見据えて4回転ループの習得も視野に入れている。
指導する中野園子コーチがカナダ・モントリオールで行われた世界選手権後、坂本が練習に取り組んでいたことを明らかにした。出来栄えは「だいぶ形になってきた」。そのことについて問われた坂本は「体の動きがいいなと思った日は、ちょっと余分に回ってみようかなくらいの気持ちでやっていた」と説明した。
6種類の中で基礎点が最も低いトーループは左足のつま先で氷を突いて跳び上がるため、左足首に捻挫癖のある坂本にはリスクがある。左足のエッジで踏み切るサルコーは苦手。だから「ループが今は一番現実的かな」。
かつて試合で4回転トーループに挑んだこともあったが、一時的だった。幅と高さのあるジャンプの完成度と加点で勝負してきた中、心ない外野の声にも傷ついていた。「『なんでアクセル(3回転半)も4回転もないのに世界女王やねん』ってすごく言われることもあるけど、それは自分が一番分かっている。大技を見たければ、別に花織を見なくていい」。募るいら立ちを思わず吐き出したこともあった。
葛藤の中で4回転投入を考えるようになったのは、強豪ロシア勢の存在が大きい。2年前に始まったウクライナ侵攻の影響で国際大会から除外されているが、復帰する日は来るだろう。「帰ってきてからも勝ち続けたい。今のままじゃ駄目」。完成のめどは付けていないが、トップに立ち続けるために進化が求められるのは分かっている。 (モントリオール時事)
[時事通信社]
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