国産旅客機、官民連携で再挑戦=35年以降事業化へ工程表―経産省
経済産業省は27日、産業構造審議会(経産相の諮問機関)の会合を開き、航空機産業戦略の改定案を示した。次世代の国産旅客機について、2035年以降の事業化を官民連携で目指すとした工程表を盛り込んだ。三菱重工業が撤退した国産小型ジェット旅客機「スペースジェット」事業を教訓とした上で、今後10年で官民で約4兆円規模の投資を行い、国産旅客機の開発に改めて挑戦する。
脱炭素の動きなど航空機産業の環境変化を踏まえ、14年策定の戦略を見直した。新戦略では、航空機の開発製造基盤の獲得を「日本の経済安全保障や産業競争力を高める上で重要」と明記。工程表では、早ければ25年にも経産省や航空機関連メーカーなどと連携して実証プロジェクトを立ち上げ、航空機を組み立てる完成機事業への参入を目指し、知見共有などを進める。
新戦略では、三菱重工が開発から撤退した原因も分析。安全認証に対する理解不足や市場環境の変化、技術開発が中心の不十分な政府支援などに課題があったと指摘した。今後は企業1社による単独開発ではなく海外メーカーなどと国際連携していくことや、政府で新たな資金支援策を検討する必要性があることを強調。官民一体で電動化や水素エンジンなど次世代技術を採り入れた航空機の開発を加速させる。
[時事通信社]
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