「学問、真摯に粘り強く」=大学生活、指導教授が紹介―愛子さま卒業
天皇、皇后両陛下の長女愛子さま(22)の卒業論文を指導した学習院大文学部日本語日本文学科の中野貴文教授(50)=日本中世文学=が19日、宮内記者会の取材に応じ、学生生活について「真摯(しんし)に粘り強く学問に向き合われた」と振り返った。
愛子さまは3年時に中野教授の「宇治拾遺物語」など中世日本文学に関する講義を受けられた。コロナ禍でオンライン形式だったが、愛子さまはチャットで積極的に回答。4年生への進級前に「中世文学で卒論を書きたい」と希望し、同教授が指導教官になった。
執筆に当たり、教授の研究室で面談を重ねた。愛子さまは渡した資料を丁寧に読み込んでおり、長い時は1時間話し込むことも。その結果、卒論は「自らの言葉で粘り強く論じ、見解を加えられた素晴らしいもの」(同教授)になった。
愛子さまのことは「敬宮さん」と呼び、世間話で笑い合うこともあった。4年生になってからは教室に出席して受講するようになり、休憩時間は他の学生と歓談して楽しんでいる様子だったという。教授は「明るく気さく」な人柄だったと振り返る。
講義などの中で、文学や和歌を受け継ぐことは「ただ守るということではなく、今の表現や生活に生かすこと」だと伝えてきたという中野教授。日本赤十字社で勤務し、成年皇族としての活動も本格化する愛子さまのこれからについて、「伝統をうまく受け継ぐ」ことに学びが生きるのではないかと期待している。
[時事通信社]
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