中国海軍 (27/29)
ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦「杭州」「泰州」 ソブレメンヌイ級駆逐艦は、旧ソ連が1970年代末に開発した。ソ連海軍は冷戦後半の主力水上戦闘艦と位置付け、17隻を導入した。91年のソ連崩壊後、サンクトペテルブルクの造船所で建造途中のまま放置されていた2隻を96年9月に中国が購入し、99年に1番艦の杭州、2001年に2番艦の福州が就役した。02年には改良型の新造船2隻をロシアに追加発注し、05年に3番艦の泰州、06年に4番艦の寧波が就役、4隻とも浙江省寧波に司令部のある東海艦隊に配属されている。写真は、上が12年11月に沖縄県宮古島の北東約110キロの海上を航行する1番艦の杭州、下は15年8月に長崎県対馬の南西約120〜140キロを航行する3番艦の泰州で、いずれも海上自衛隊の航空機が撮影した(防衛省統合幕僚監部提供)。 船体は全長156メートル、全幅17メートル、満載排水量8067トン、機関は蒸気タービン2基を搭載、合計出力9万9500馬力で2軸のスクリューを駆動し、最大速力は32ノット(時速59.2キロ)に達する。武装はSS−N−22艦対艦ミサイル4連装発射筒2基、SA−N−7艦対空ミサイル(SAM)単装発射機2基、RBU1000対潜ロケット発射機2基、533ミリ連装魚雷発射管2基は4隻とも共通している。ただし、1、2番艦が130ミリ連装砲2基、30ミリ近接防御火器(CIWS)4基を備えるのに対し、3、4番艦は130ミリ連装砲が前甲板の1基のみで、後甲板は砲塔を置かずにヘリコプター用飛行甲板を延長したほか、近接防御火器も30ミリCIWSではなく、30ミリ機関砲とSA−N−11短距離SAMをセットにしたCADS−N−1を2基搭載している。 船体構造や武装に違いがあるため、1、2番艦をソブレメンヌイ級I型、3、4番艦を同II型として区別する。両型ともZhi9A型もしくはKa28型ヘリコプターを1機搭載できる。I型は煙突と後部砲塔の間の限られたスペースに飛行甲板を配置、格納庫も折り畳み式で、ヘリコプターを艦上で整備できないという問題がある。II型は飛行甲板を拡大して発着の安全性を高め、艦上での整備も可能になった 【時事通信社】