中国海軍 (20/29)
旅洋III型ミサイル駆逐艦「合肥」「長沙」 旅洋(ルーヤン)III型は、中国海軍最新鋭のミサイル駆逐艦で2014年に1番艦の昆明が就役、16年までに計4隻が完成し、すべて広東省湛江に司令部のある南海艦隊に配属された。写真は上が3番艦の合肥で、16年5月に沖縄県与那国島の南約360キロの海上を航行中に海上自衛隊が撮影した。下は、2番艦の長沙が17年3月に沖縄県宮古島の南東120〜200キロの海域を航行中に海上自衛隊が撮影した。写真はいずれも防衛省統合幕僚監部提供。 旅洋III型は、長射程の艦対空ミサイル(SAM)を装備した艦隊防空艦で、索敵とミサイルの射撃管制機能を持つ最新のLJA346A型アクティブ・フェイズドアレーレーダーを備え、ひとつ前の型式の旅洋II型とともに「中華イージス」と呼ばれている。全長157メートル、全幅17メートル、満載排水量7500トンのサイズは、中国国産の水上戦闘艦としては最大級で、中国海軍はさらに6隻を建造し、18年には10隻体制とする方針だ。 中国は旅洋III型の性能を明らかにしていないが、アクティブ・フェイズドアレーレーダーのほか、後部に長距離索敵レーダーを備え、目標の探知距離は450キロ以上、複数目標に同時対応が可能だと推測されている。前甲板と後部のヘリコプター格納庫前に合計64セルのミサイル垂直発射装置(VLS)があり、HHQ9SAMを格納している。HHQ9は中国国産の長距離SAMで、最大射程は120キロ程度とされているが、旅洋III型が搭載しているのは性能向上型で、射程はさらに延伸されているとの情報もある。そのほか、艦対艦ミサイル(弾種は不明)用の18セルVLS、FL3000N短SAM24連装発射機1基、130ミリ単装砲1基、30ミリ近接防御火器(CIWS)1基、324ミリ短魚雷3連装発射管2基を備え、Zhi8A型ヘリコプター2機を搭載している。機関はガスタービン2基とディーゼル2基を組み合わせたCODOG式で2軸のスクリューを駆動、合計出力は5万6000馬力、最大速力は30ノット(時速55.6キロ)と推定されている 【時事通信社】