中国海軍 (18/29)
航空母艦「遼寧」 殲15(J15)戦闘機の発艦訓練の様子を、艦橋前から捉えたショット。ちょうどスキージャンプ式飛行甲板の前端からJ15が飛び立っている。左右2カ所に見える発艦待機スポットの直後に立ち上がっているのは、ジェットエンジンの噴気が後方の航空機や甲板上の乗組員に当たらないようにするブラストデフレクターと呼ばれる装置。左舷側ブラストデフレクターの前には、もう1機のJ15が発艦のため待機している。 J15はロシアの艦載戦闘機Su33の中国バージョンで、Su33の試作機をウクライナから入手し、それをベースに開発したとみられる。遼寧には艦載機を射出するカタパルトがなく、J15は自力で飛び立つ必要がある。傾斜をつけたスキージャンプ式飛行甲板には艦載機の上昇をアシストする効果はあるものの、滑走距離が限られているため、燃料と武器を満載したJ15は重くて発艦できない。 J15の戦闘行動半径(空母から飛び立って戦闘行動をし、燃料が切れる前に帰還できる距離)は陸上基地から燃料を満載して離陸した場合でも1000キロ程度とされているが、遼寧に搭載されたJ15は燃料積載量が制限されて戦闘行動半径はかなり小さくなるとみられる。米空母が搭載するFA18スーパーホーネット戦闘爆撃機(戦闘行動半径1750キロ)に比べて戦闘力は著しく低く、遼寧に米海軍の空母打撃群と正面から渡り合える能力はないというのが一般的な見方だ(2016年12月23日) 【AFP=時事】