２０２１年東京五輪では、長嶋さんは王貞治さん、松井秀喜さんと共に国立競技場内で聖火リレーの走者を務めた。左手に持ったトーチに火がともされると、松井さんに支えられながらゆっくり歩行。車いすには乗らず、自身の足で大役を果たした。長嶋さんらのトーチに聖火をつないだレスリング女子の吉田沙保里さんは「思い出すたびに、今でも心が震える」と回想した。
　脳梗塞での闘病後、胆石治療でも入院。当時も万全の体調ではなかったが、自宅でリハビリを重ねて本番に臨んだという。東京大会組織委員会の会長代行を務めた日本スポーツ協会の遠藤利明会長は「困難を乗り越えて聖火ランナーを務められた。そのお姿は日本中、世界中の人々に大きな勇気を与えた」としのんだ。