2025-02-21 13:31

認知度、関心度に警鐘=データが示す現状―パラスポーツ

パラスポーツのセミナーに参加するパリパラリンピック代表の半谷静香(左)と若山英史=15日、東京都中央区(ヤマハ発動機スポーツ振興財団提供)
パラスポーツのセミナーに参加するパリパラリンピック代表の半谷静香(左)と若山英史=15日、東京都中央区(ヤマハ発動機スポーツ振興財団提供)
 昨夏のパリ・パラリンピック閉幕から半年がたとうとしている今、パラスポーツの認知度に課題が残っている。ヤマハ発動機スポーツ振興財団はこのほど、パラリンピックの認知度に関する報道向けのセミナーを東京都内で開いた。パリ大会の柔道女子48キロ級(全盲)で銀メダルを獲得した半谷静香(トヨタループス)や車いすラグビー金メダリストの若山英史(静岡銀行)らをゲストに招き、意見を交わした。
 セミナーでは、さまざまな調査結果が示された。厳しい数字だったのが「大会ごとのテレビ放送時間」。テレビ局別にパラリンピックの放送時間を分析すると、多くの局が東京大会をピークに減少。パリ大会はメダル数は直近5大会で東京大会に続いて多く、日本勢の活躍が目立ったものの、露出には反映されなかった。
 4大会連続出場の半谷は「パリ大会は話題として取り上げてもらう機会が確かに少なく感じた」と口にした。またパリ大会後に全国の20歳以上の男女を対象に行われたインターネット調査によると、パラリンピックやパラスポーツへの関心度が伸び悩むか、低下傾向であることが数字に表れた。「率直にショック。寂しい会場でプレーする日が来るのか」と若山は懸念した。
 調査から浮き彫りとなった現状とどう向き合い、どう対策することでパラスポーツの認知度が向上するだろうか。半谷は「自分には関係ないと思わず、パラスポーツに触れてみる(といい)」と指摘。多くの人がこの考えを抱くだけでも、追い風が吹くかもしれない。