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地下物質に高まる期待=試料待つ分析担当者ら―はやぶさ2

2019-07-11 17:16

探査機「はやぶさ2」が採取に成功したとみられる小惑星「りゅうぐう」の地下物質。試料の分析にあたる研究者らは、はやぶさ2が持ち帰る「太陽系の歴史のかけら」(津田雄一プロジェクトマネジャー)を心待ちにしている。
初代はやぶさが微粒子を持ち帰った「イトカワ」は岩石質のS型小惑星。りゅうぐうはC型小惑星で、生命に欠かせない水や有機物を含むと考えられている。はやぶさ2による上空からの観測で水の存在は確認できたが、有機物は試料を持ち帰らないと確定できない。
初期分析チームで有機物を担当する薮田ひかる広島大教授は、小惑星表面の物質が放射線などで変化する「宇宙風化」に着目。「表面と地下の試料が入手できれば、表面は宇宙風化でどのような有機物が合成、あるいは分解されるか。地下からは初期太陽系で形成された有機物の組成など重要な情報を得られる」と期待を寄せる。
2020年末の帰還に備え、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、回収カプセルから試料を取り出す装置を完成させた。貴重な試料に地球の物質が混入しないよう、密閉環境で分類や初期分析を実施。その後、世界の研究者にも提供する。
担当の安部正真JAXA准教授は「初代はやぶさの時は微粒子だったが、はやぶさ2はたくさん取って来るので楽しみ。世界の研究者に渡すため試料を汚さずに分類し、その中でできるだけの情報も得たい」と話した。
[時事通信社]

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