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安全と挑戦、葛藤も=リスク見極め着陸決断―はやぶさ2

2019-07-11 11:16

さまざまなトラブルに見舞われた先代と比べ、順調にミッションをこなす探査機「はやぶさ2」。既に着陸・試料採取(タッチダウン)を一度成功させながら、さらに危険を冒して2回目を行うべきか。プロジェクトチームは「安全」と「挑戦」のはざまで葛藤する中、リスクを慎重に見極めて決断を下した。
タッチダウンは、一歩間違えれば小惑星に衝突するなど、地球帰還が困難になるリスクがつきまとう。機体内のコンテナには1回目のタッチダウンで得た貴重な試料があるとみられ、このまま持ち帰るのも一つの考え方だ。
1回目のタッチダウンの際、細かい砂などが巻き上がり、自律制御で降下するはやぶさ2の「目」となるカメラに付着。受光感度が低下するなど必ずしも万全な状態でないという。
ただ、小惑星の地下物質や複数箇所からの試料採取に成功すれば世界初となる。科学的、技術的に価値の高い成果であることは言うまでもない。
プロジェクトチームは、観測データから作成した着陸目標地点の3次元マップを使い、一つ一つ岩の高さを推定。感度が低下したカメラなどは、事前の低高度観測で性能を再確認した。さまざまな条件を変えた降下シミュレーションは10万回に上り、失敗が一度もないところまで突き詰めた。
津田雄一プロジェクトマネジャーは「冷静な評価を行い、技術は十分あると判断した。技術がある以上、挑戦をしない選択肢はない」と言い切った。
[時事通信社]

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