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FCAとルノーの統合白紙=世界首位メーカー誕生ならず

2019-06-06 16:40

【ニューヨーク時事】欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は5日、仏ルノーに対する経営統合の提案を撤回したと発表した。統合が実現すれば販売台数で世界3位、ルノーと連合を組む日産自動車と三菱自動車も加えればトップの自動車メーカーが誕生する見通しだったが、提案はあえなく白紙に戻った。
FCAは声明で「統合案は全ての当事者に大きな恩恵をもたらすバランスの取れたもので、説得力があると引き続き確信している」と強調。その上で「統合を成功に導くフランスの政治的状況が整っていないことが明らかになった」と述べ、提案撤回の背景にルノーの筆頭株主である仏政府の姿勢があると示唆した。
ルノーは4、5両日に開いた取締役会でFCAとの統合案について協議。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)によると、日産から送り込まれた取締役2人はFCAとの統合案への支持を保留した。そこで日産との提携維持を条件としてきた仏政府は、統合の賛否を問う投票の延期を要求。こうした状況を踏まえ、FCAは統合実現は困難と判断したもようだ。
ロイター通信などによると、仏政府は統合後の出資比率の減少で統合会社への影響力が弱まることを懸念。統合会社の取締役ポストなどのほか、統合後の本社機能をフランスに置くことも要求していた。国内雇用の保護も求めていたとされる。
一方、仏政府の積極的な姿勢に刺激され、フィアットのお膝元のイタリア政府も雇用確保などを念頭に統合案への介入を示唆し始めたことから、協議が複雑化するとの見方も出ていた。
[時事通信社]

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