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香港デモ

反対派の過激化、収拾つかず=高まる「反中感情」―逃亡犯条例問題・香港

2019-07-16 18:12

【香港時事】香港で身柄を拘束した容疑者の中国本土への移送を可能にする逃亡犯条例改正をめぐり、反対派の過激化が進んでいる。警察当局は16日までに、先週末のデモで約50人を逮捕。この数字は6月以降の単発の抗議行動では最多だ。改正案への反発の根本にある中国政府への不信が、いまやコントロールできない「反中感情」に高まりつつある。
14日の新界地区・沙田のデモでは、行進が終わらないうちに一部参加者がバリケードを築き始めるなど、早い時点で不穏な空気が漂っていた。夜になりショッピングモール内で発生した衝突では、階上から物を投げたり警官を個別に取り囲み傘などで殴ったりする群衆に、警察が催涙スプレーと警棒で応戦。警官の1人はデモ隊に指をかみ切られ、双方に約30人の負傷者が出た。
デモに参加した男子大学生は「暴力には反対だが、阻止することもできない。デモ主催者がいくら理性的な行動を訴えても、過激化する一部の動きはコントロール不可能だ」と話した。
香港では6月下旬以降、反対派と警官隊の衝突が常態化。若者らは暴力や破壊行為への抵抗感が薄れているほか、政府トップの林鄭月娥行政長官や警察による「刑事責任の徹底追及」が、彼らの怒りに油を注ぐ形となっている。
こうした怒りは沈殿している「反中感情」をむき出しにしている。6日には、中国本土出身者の屋外でのカラオケに反対するデモが、13日には、香港の日用品を中国側へ大量に転売する「運び屋」に抗議するデモが、いずれも中国本土に近い地区で行われた。中国人客を相手にする商店も攻撃対象になり、混乱が拡大している。
相次ぐデモを受け、先週末の地元紙には「香港大崩壊」の見出しが踊った。世論はこれまで「自由と民主」を掲げての行動に「ある程度の暴力はやむを得ない」と理解を示してきたが、先鋭化する反中感情の行き先は不透明だ。
[時事通信社]

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