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香港デモ

中国介入、香港民主派憂慮=「逃亡犯条例」改正案めぐり

2019-06-08 14:57

【香港時事】香港で身柄を拘束された容疑者の中国本土への移送を可能にする「逃亡犯条例」改正案が、内外で議論を呼んでいる。中国政府が民主活動家ら政府に不都合な人物の引き渡しを求める恐れがあるとして、香港民主派や国際社会が憂慮する中、中国側は介入を強めている。
条例改正の断固阻止を掲げる民主派は、国際世論の支持を得るため、在香港の各国機関などへの働き掛けを進めている。民主派長老の李柱銘氏らは先月、訪米してポンペオ国務長官と面会し、懸念の言葉を引き出した。
改正された場合、中国側とビジネス上の紛争を抱える企業関係者が引き渡しの対象になる可能性もあり、各国も無関心ではいられない。欧州連合(EU)の在香港事務所が香港政府トップの林鄭月娥行政長官に抗議したほか、英国とカナダの外相は連名で「香港在住の自国民への影響」を憂慮する声明を出した。
これに対し中国政府は「改正を完全に支持する」(韓正副首相)との立場。香港メディアによると、中国政府の香港出先機関は先月、親中派の政界人を集めて改正支持を促した。
今年に入って突然持ち上がった改正の動きに対し、李柱銘氏と共に米国で反対を訴えた民主派政党・工党の李卓人副主席は時事通信の取材に、「貿易摩擦で米中関係が最悪な中、新たな火種を投じる行為でしかない」と指摘した。
香港政府は、移送対象から政治犯を除外し、殺人などの重大犯罪に限る方針を示して不安解消に努めているが、李卓人氏は「全く意味がない」と断言。「政治犯を別の容疑で拘束するのは、中国では日常茶飯事だからだ」と強調した。
民主派団体は9日、香港島中心部で30万人規模の反対デモを行う計画。ニューヨークや東京などの各都市でもデモを一斉に実施する。
[時事通信社]

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