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海洋プラごみ削減へ一歩=新枠組み、意見の相違も―G20閣僚会合

2019-06-16 21:28

20カ国・地域(G20)エネルギー・環境関係閣僚会合で、海洋プラスチックごみ対策の国際枠組みの創設が決まった。生態系への影響が懸念される海洋プラごみを減らす第一歩になると期待される。ただ、プラ使用を継続しつつ海への流出防止を目指す日本や米国と、プラ使用禁止を掲げる欧州などの間で溝は残ったままで、今後足並みが乱れる恐れもある。
「一番大事なのは先進国と途上国の間で同じ基準を持って(海洋プラごみ削減に)取り組むことだ」。原田義昭環境相は会合閉幕後の記者会見で、新枠組みの意義を強調した。
米国の大学研究者らの推計によると、世界の海洋へのプラ流出は、途上国からが98%を占める。日本政府関係者は「途上国では川にそのままごみを捨てていたり、廃棄物管理ができていなかったりする。ここが最大の問題で、それを止めるのが枠組みの狙いだ」と語る。
ただ、枠組みはあくまで各国に自主的な対策を求めるもので拘束力はない。実効性を高めるため、政府は国際条約などの締結につなげ、強制力を持たせることも視野に入れている。しかし、強制力を持たせようとすれば、プラごみ対策の手法などをめぐる各国の意見対立が強まる恐れもある。
海洋プラごみ削減の目標設定も課題だ。日本は28、29両日に大阪市で行われるG20首脳会合で、世界全体での数値目標設定を呼び掛ける考え。しかし、海洋プラ削減に向けて行動することは各国が合意したものの、具体的な目標の共有までできるかは不透明だ。
一方、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明するなど、環境問題に後ろ向きとされる米トランプ政権の動きも不安材料だ。今回の会合でも、閉幕直前までパリ協定をめぐる文言の調整が難航。一時は、海洋プラ対策の枠組みを含む共同声明全体の採択が危ぶまれた。
今回は採択にこぎ着けたものの、「共同声明で(パリ協定に)言及することになったのは本当にミラクルだ」(環境省の担当者)と驚きの声が聞かれるほどで、今後も米国の出方に神経をとがらす状況が続きそうだ。
[時事通信社]

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