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「老後2000万円」で野党攻勢=参院選、年金問題の再来狙い

2019-06-07 18:26

老後の暮らしのため年金以外に2000万円の資金が必要だとした金融庁の報告書をめぐり、野党が批判を強めている。政府が「100年安心」とする公的年金制度に不安を抱かせる内容だけに、夏の参院選の争点に据え、「消えた年金問題」で与党を大敗に追い込んだ2007年参院選の再来を狙う思惑がある。
報告書は、年金収入に頼る無職の高齢夫婦世帯では月平均5万円の赤字が生じ、夫が95歳になるまでの30年間で約2000万円の資産取り崩しが必要になると試算。超高齢社会への備えとして、投資など資産運用による「自助」を呼び掛けた。
立憲民主党の福山哲郎幹事長は7日の党参院議員総会で「いつから2000万円ないと老後が迎えられなくなったのか。安倍晋三首相に予算委員会で国民の不安に答えてもらわないといけない」と強調。「逃げたまま衆院解散・総選挙など許されない」と訴え、手始めに首相と全閣僚が出席する10日の参院決算委員会で追及する方針を示した。
首相が自民党幹事長を務めていた04年の年金制度改革は「100年安心」がうたい文句だった。今回の報告書は政府が年金制度の破綻を認めたとも受け取れることから、国民民主党の玉木雄一郎代表は7日の党会合で「100年安心は崩れた」と主張。独自の改革案を提示し、参院選の争点にする考えを表明した。
主要野党が攻勢をかけるのは、参院選に合わせた衆参同日選の臆測も出る中、17年衆院選の際にクローズアップされた学校法人「森友学園」「加計学園」問題など政権を揺さぶるテーマが他に見当たらない事情も背景にある。6日は合同ヒアリングを開き、厚生労働省などの担当者に「公的年金の使命を放棄している」と詰め寄った。
これに対し、菅義偉官房長官は7日の記者会見で「将来にわたり持続可能な年金制度を構築している」と反論し、不安の払拭(ふっしょく)を図った。与党側は衆参両院の予算委開催には応じない構え。公明党の斉藤鉄夫幹事長は報告書について会見で「貯蓄から投資へという資産形成の一つの考え方を示したものだ」と予防線を張った。
[時事通信社]

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