特集


日本企業、戦々恐々=取引自粛で供給網混乱も―米国の対ファーウェイ禁輸

2019-05-23 20:24

米政府による華為技術(ファーウェイ)への禁輸措置をめぐり、日本企業に動揺が広がっている。米国製の部品が25%超組み込まれている製品を無許可のままファーウェイに供給すれば日本企業も制裁金などを科されるためだ。禁止対象となる製品の確認は困難な上、過剰な取引自粛は契約をめぐる訴訟リスクも生じさせかねず、企業は対応に苦慮しそうだ。
ファーウェイに電子部品を供給しているパナソニックは、米国政府が禁じた取引の中止を指示する社内通達を出した。法律で認められた取引は続ける方針で、米国製部品の構成比率の精査などをグループ内で徹底する。
通信機器向けの半導体部品を納入している三菱電機も禁輸措置には従うが「基本的には自由貿易を進めるべきだ」(杉山武史社長)とし、法的に認められた取引は続ける考え。ただ、ある部品メーカーの関係者は今後について「周りのサプライヤーの動きを見ながら判断していくしかない」と漏らし、状況によっては取引中止もあり得るとの考えを示した。
禁輸対象となる製品を判断することも企業にとっては負担だ。米国製部品の構成比率を算定するには、調達価格や市場価格などさまざまな要素を考慮に入れる必要があるため。専門家は「どの取引が(禁止対象に)該当するかを確定するのはかなり難しく、企業は(範囲を)広めにみて保守的に対応せざるを得ない場合もある」(ベーカー&マッケンジー法律事務所の板橋加奈パートナー)と指摘する。
禁止対象となる可能性があれば、米国製部品の比率を下げるか、取引を中止するしかない。大手金融機関の幹部は「供給網が入り組む中、少しでも懸念のあるものは控えておこうという影響が出るだろう」と、必要以上の自粛が広がることに警戒感を示した。
米紙ニューヨーク・タイムズは、米政府が中国の防犯・監視システム最大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)に対しても禁輸措置の適用を検討していると報じた。日本工作機械工業会の飯村幸生会長(東芝機械会長)は、エスカレートする米中摩擦について「顧客に相当な慎重姿勢が広がっている。長引けば長引くほど傷が深まる」と、世界の貿易体制が揺らいでいることへの危機感を語った。
[時事通信社]

その他 特集記事