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豊洲へ遷座、市場と共に=築地魚河岸「水神さま」

2018-10-09 04:45

築地市場(東京都中央区)で古くから「水神さま」として親しまれてきた「魚河岸水神社遥拝所」が、市場移転に伴い豊洲新市場(江東区)に遷座した。一方、築地に今後も残る場外市場は、土地の氏神「波除神社」が見守り続ける。
魚河岸水神社は江戸時代、日本橋魚市場の開祖・森孫右衛門が大漁や海上安全などを祈願し、「大市場交易神」として神田神社(千代田区)境内に社を建立したのが始まり。関東大震災により市場は日本橋から移転。築地市場が開場した1935年、遠くからでも神田神社内の社を拝めるようにと、場内に遥拝所が設置された。
遥拝所はその後、市場関係者から「水神さま」と呼ばれるようになり、大切にされてきた。魚河岸会の伊藤宏之会長(80)は「信仰ではなく心のよりどころ。水神さまを中心として、いろんな業界の人が心を一つにするのに役立ってきた」と敬意を込める。
水神さまは今年6月に神田神社へいったん移され、豊洲新市場内に設置された遥拝所へ9月に遷座した。移転を担った伊藤会長は「豊洲でもこれまで通り、『心のよりどころ』として皆が集まってほしい」と期待する。
一方、古くからの土地の氏神である波除神社は、市場のすぐ脇で築地を見守り続けてきた。境内には「すし塚」「海老塚」なども建立されている。
市場移転後も築地では、場外で多くの店が営業を続ける。同神社の禰宜(ねぎ)、鈴木淑人さん(35)は「波除神社は氏神として、今後も場外市場を含め築地の繁栄をお祈りしていく」と話している。
[時事通信社]

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