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豊洲でも店の伝統守る=閉場の築地に思い深く―女将会の新井さん

2018-10-06 15:26

83年の歴史を持つ東京都の築地市場(中央区)が6日、最後の営業日を終えた。11日の豊洲市場(江東区)への移転が間近に迫る中、移転反対を訴えてきた「築地女将(おかみ)さん会」のメンバーの新井真沙子さん(75)は、豊洲に移転しても「祖父の代から受け継いできた伝統を守りたい」と強調する。
新井さんは、今年で創業95年となる鮮魚仲卸の老舗「網和網治」で約40年間、働いてきた。20年ほど前に夫が亡くなり、長男(48)が引き継いだが、新井さんは今も現役で経営を支えている。
「(築地市場は)平場のため売り場との間を効率的に移動できるが、豊洲では上階への移動で時間のロスが生じる」と新井さんは言う。また「閉鎖型の施設では、魚を仕入れる際に必要な天気や温度を体感しながら仕事ができない。築地の良さが受け継がれていない」と、豊洲市場への不満を漏らす。
築地市場を「関係者の気持ちや愛情がこもった場所」と振り返り「あと5年で創業から100年。築地で迎えたかった」と寂しげに語った。
築地市場は解体され、2020年の東京五輪・パラリンピック後に再開発される。「築地はこれまで、市場関係者の目利きの力などで不動産価値以上のブランドを築き上げてきた。(閉場後も)市場の雰囲気を残してほしい」というのが新井さんの願いだ。
[時事通信社]

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