鉄に代わる「竹筋コンクリ」 戦前技術に再脚光―東北の産学、実用化目指す
鉄の代わりに竹を骨組みに使う「竹筋(ちっきん)コンクリート」の実用化に、東北地方の大学や企業が挑んでいる。新たな建築資材として期待されるほか、竹林は土砂災害の原因となっており、防災面からも注目を集めている。
竹筋コンクリートは、短冊形に加工した竹材を格子状に組んで補強材にする技術。戦争で鉄不足だった明治~昭和初期に使われ、長者滝橋(岩手県一関市)など現存する建造物にも活用された。当時の資料を参考に、日本大と東北大、山形、福島両県の5社でつくる竹筋コンクリート協議会が実用化を目指している。
竹は短期間で成長するため周辺の家屋に被害をもたらすほか、広く浅く地下茎を伸ばすため土砂崩れの原因になる。一方で加工が容易という利点もあり、協議会に加わる山形県の建築コンサルタント会社「新和設計」の高橋明彦企画技術室長は「建築資材に生かせればという考えがあった」と話す。
協議会が試作品を作り、強度などの検証を重ねた結果、6月に日本産業規格(JIS)を満たすことが確認された。試作に携わった日大工学部の子田康弘教授は「試行錯誤を重ねた結果、強度が低い竹材の内側を削ることで鉄筋コンクリートと遜色ない強度が確保できた」と語る。
11月26日には福島県南会津町で、製品化に向けた実証試験も始まった。竹筋コンクリートで作った排水溝(U字溝)を約70メートルにわたり休耕田に設置。継続使用して耐久性などを確認するという。
竹材の安定供給など課題はあるが、子田教授は「身近なインフラに当たり前のように竹筋コンクリートが使われることを目指す」と力を込める。(2023/12/22-13:40)
Japan Trying to Revive Bamboo-Reinforced Concrete
A group in the Tohoku northeastern Japan region is trying to revive a prewar technology using bamboo to create reinforcement frameworks for concrete instead of steel materials.
Bamboo-reinforced concrete is drawing attention not only as an alternative building material but as a potential solution to a key problem with bamboo forests, which tend to make the grounds vulnerable to landslides.
In order to make bamboo-reinforced concrete, bamboo is processed into strips, which are then assembled into grids to form frameworks.
Bamboo materials were used to reinforce concrete in Japan for decades until the early Showa period in the early 20th century because steel was in short supply due to wars.
Some of the structures built with bamboo-reinforced concrete still exist, including the Chojataki bridge in Ichinoseki in the Tohoku prefecture of Iwate.
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