中国、希少金属の管理強化 日本企業の現地社員拘束
【北京時事】中国当局がレアメタル(希少金属)の国家管理を強めている。8月以降、半導体の原材料となるガリウムとゲルマニウムの輸出規制を強化。12月からはリチウムイオン電池の材料などに使われるグラファイト(黒鉛)の輸出管理を厳格化する。レアメタルを扱う日本の金属商社で働いていた中国人従業員が当局に拘束されたとの情報もあり、外国企業は警戒を強めている。
中国商務省と税関総署は今月20日、一部の黒鉛について「許可を得ずに輸出してはならない」と発表した。中国製電気自動車(EV)の市場シェア拡大に危機感を強める欧州連合(EU)欧州委員会は今月、中国が不当な補助金支援を行っていないか調査に乗り出したばかりで、対抗措置とみられる。ガリウムなどの輸出規制は、半導体包囲網を強化する日米向けを特に厳しくしているもようで、「戦略物資」の囲い込みを進めている。
業界関係者によると、商社の中国人社員はレアメタル関連事業に携わっていた。関係のあった中国国有企業の従業員も拘束されたもよう。容疑はいずれも不明だが、情報漏えいを疑われた可能性があるという。
中国では今年、反スパイ法が改正され、国内外の企業に対する監視が強化された。6月に中国に出張したレアメタル貿易に従事する日本企業関係者は「到着直後から出国まで、ずっと監視されていたようだ」と振り返った。3月にはアステラス製薬の現地法人の日本人幹部が反スパイ法違反容疑で拘束され、その後、正式に逮捕された。東京の鉱物メーカーの社員は「当面は中国出張を見合わせるよう、通知が出ている」と明かした。(2023/10/25-07:50)
China Tightening Controls over Minor Metal Exports
China is strengthening its controls over exports of minor metals, including key materials for semiconductors.
Foreign companies operating in the country are increasingly concerned after media reports that Chinese authorities have detained a Chinese employee of a Japanese trading house dealing in minor metals.
In August, China tightened its export controls over gallium and germanium, both used to make semiconductors.
The export controls over graphite, an essential material for lithium-ion batteries, will also be toughened in December.
The Ministry of Commerce and the General Administration of Customs announced the move last week, saying that some types of graphite must not be exported from China without permission.
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