官民で女性DX人材育成=矢田稚子前補佐官インタビュー
政府と民間企業、地方自治体が連携し、女性デジタル人材の育成や就労支援を行う「官民連携DX女性活躍コンソーシアム」が7日、発足する。地方女性のデジタルスキル習得を後押しし、賃金向上や多様な働き方を実現するとともに、地方創生にもつなげたい考えだ。会長に就く矢田稚子前首相補佐官に話を聞いた。
―立ち上げの経緯は。
首相補佐官として男女賃金格差の解消に取り組む中で、女性の「稼ぐ力」が弱いとの課題意識を持った。石破政権の下で女性が地元で活躍するための対策に着手したが、3月に退任となり「やり残し感」があった。経験を生かそうと組織設立を決めた。
―魅力的な職場不足が女性の地方からの流出につながっている。
地方の中小企業経営者に話を聞くと、みんな人手不足と言うが、働き手として女性が視界に入っていない。女性側にも活用され得るだけのスキルがあるかが問われていると感じた。
―なぜデジタルか。
デジタル人材への需要は高い。育児や介護を担う女性たちの「在宅で仕事をしたい」とのニーズとデジタル技術は相性もいい。コンソーシアムでは初歩のスキル習得から、高度IT人材育成まで後押ししていく。
―自治体とはどう連携するか。
地元で活躍するデジタル人材育成に力を入れる長野県佐久市、沖縄県糸満市などの先行自治体もある。連携して好事例を広げつつ、就労あっせんの仕組みを強化する。政府の「地域働き方・職場改革等推進会議」の取り組みに参画する68の自治体とも連携したい。
―政府の関与は。
デジタル庁や経済産業省、内閣府男女共同参画局などが参加する。政府は6月に「新・デジタル女性人材育成プラン」を策定した。中央省庁の関連施策は周知が不十分なので、束ねて大きな力にしたい。
―なぜ女性なのか。
大卒女性の36%が年収200万円以下で、働きたいのに働けない女性は約310万人いる。育児・介護など何らかの事情で正規職を諦めていた女性たちに、まずは光を当てたい。将来的に引きこもりの方などにも広げたい。
―ITに疎くてもデジタル人材になれる?
先行する民間の取り組みでは、ITに縁のなかった女性たちが挑戦し、高い就労率の実績もある。女性たちには、自身のポテンシャルは高く、市場価値があることに気付いてほしい。
―日本は女性活躍が遅れている。
日本には、成果より長時間労働が評価される風土があり、女性活躍の壁となっている。いつでもどこでも働け、労働の付加価値を何倍にも高めるデジタル技術は、「成果重視型」への転換への挑戦でもある。
[時事通信社]
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