緊迫する世界情勢「怖い」=平和の礎で遺族ら平和の祈り―沖縄慰霊の日

沖縄は23日、「慰霊の日」を迎えた。沖縄戦の終結から80年。平和祈念公園(沖縄県糸満市摩文仁)には、早朝から多くの遺族が訪れ、「平和の礎(いしじ)」に刻まれた肉親の名前に手を合わせた。「見るたびに怖くなる」。各地で戦闘が続き緊迫化する世界情勢に不安をにじませ、平和への祈りを強くした。
八重瀬町から訪れた新垣秋子さん(86)は、礎に花を手向け、夫の兄姉の刻銘に水をかけた。「のども渇いていただろうから、水を飲ませてあげたくて」と声を詰まらせた。
沖縄戦当時6歳だった新垣さんは、母と兄、2歳下の妹の3人で県北部に避難。洞窟に身を隠したが、妹が泣きだしたことを日本兵にとがめられ、「家族で出て行くしかなかった」などとつらい記憶を語った。その上で、米国による対イラン攻撃などのニュースについて「子や孫たちはどうなるんだろう」と不安をのぞかせ「見るたびに怖くなる。若い人たちは平和への意識を高めてほしい」と訴えた。
南城市から8歳と6歳の孫らと訪れた新里光子さん(78)は、当時4歳と2歳だった姉2人が栄養失調などで死亡した。「世界が平和になるよう見守ってほしい」。刻まれた2人の名に祈りをささげた。新里さんは「姉たちから『これからも孫たちを大きく成長させてね』と言われているように感じた」と目を潤ませた。
宜野湾市から訪れた伊波雄翔さん(11)は、礎に刻まれた高祖父に「戦争が二度と起こらないよう空から見守っていてください」と祈った。母史子さん(49)は、毎年欠かさず礎を訪れていた祖母を見てお参りするようになったといい、息子にも「その思いをつなぎたい」と話した。
名護市の岸本憲三さん(82)は、刻銘板に刻まれた父や祖父の名前に泡盛をかけて追悼。台湾有事などを挙げ「戦争は本当にしないでほしい」と力を込めた。
[時事通信社]




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