「米国が支配」混迷深まる=日鉄の完全子会社化否定か―トランプ氏言及

日本製鉄の米鉄鋼大手USスチール買収計画に関するトランプ米大統領の言動で、計画の行方を巡る混迷が深まっている。トランプ氏は25日(日本時間26日)、記者団に日鉄による買収は「部分的な所有で、米国が支配することになる」と発言。真意は不明だが、日鉄が目指す完全子会社化を否定したとも受け取れる。
トランプ氏は23日、買収計画に関して「計画的なパートナーシップ(提携)」を承認するとSNSに投稿。日鉄は「英断に、心より敬意を表する」などと評価するコメントを出していた。USスチールの地元などでも、好意的な受け止めが広がり、製鉄所があるインディアナ州選出のトッド・ヤング上院議員(共和)は「労働者と米経済にとって大勝利だ」と歓迎した。
もっとも、トランプ氏の投稿は完全子会社化を認めたものなのか、株式の過半取得を認めたものなのか、それとも単に巨額投資を歓迎したにすぎないのかは不明確。26日の東京市場で日鉄の株価は一時前週末終値比7%上昇したが、2%高まで上げ幅を縮小。市場も真意を測りかねている。
野村総合研究所の木内登英氏は、完全子会社化できないのに、巨額の投資の実行は難しいのではないかと分析。投資計画の減額や「交渉自体の破談」の可能性も指摘する。
一方、日鉄は25日のトランプ氏の発言については静観する姿勢を貫く。ロイター通信は買収計画を審査していた対米外国投資委員会(CFIUS)の勧告について、安全保障上のリスクは「軽減策で対処できる可能性は高い」との意見が大半だったと報道。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルも米連邦政府による監視の仕組みが導入されるだろうと指摘しており、何らかの条件付きで買収が認められた可能性はある。
日鉄は、機密性の高い技術の導入に関わる投資を進める観点などから完全子会社化にこだわる。大統領の判断期限である6月5日が迫る中、買収計画の成否はなお予断を許さない。
[時事通信社]
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