国産液晶、没落鮮明に=苦戦でリストラ、他製品に活路

かつて市場を席巻した国産液晶メーカーの没落が鮮明だ。「日の丸液晶」として期待を集めたジャパンディスプレイ(JDI)は業績不振に苦しみ、国内従業員の6割に当たる1500人程度を削減する。シャープも亀山第2工場(三重県亀山市)を親会社の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業に売却する予定で、構造改革を急いでいる。
「想定を超える赤字体質だった。もっと早くけじめをつければよかった」。JDIのスコット・キャロン会長最高経営責任者(CEO)は記者会見の席上、こう嘆いた。
JDIは主力の茂原工場(千葉県茂原市)での生産を来年3月をめどに終了する計画で、今年6月から全拠点で希望退職も募る。生産拠点は石川工場(石川県川北町)に集約し、センサーなど液晶以外の事業に力を入れ、立て直しを目指す。
日立製作所、東芝、ソニー(現ソニーグループ)の中小型液晶パネル事業を統合して2012年に発足したJDIだが、中国など海外勢との価格競争が激化し、純損益は25年3月期まで11年連続で赤字。「日の丸液晶」復活の可能性を問われたキャロン氏は「日本の技術を投資額で勝負するようなものに投入することは個人的には正しくないと思う」と語った。
一方、「世界の亀山モデル」で市場をけん引したシャープも液晶事業の縮小を進める。テレビ向け大型パネルを生産していた堺工場(堺市)の稼働は昨年停止し、土地や建物を一部売却。「固定費の大幅削減を図る」(沖津雅浩社長)と同時に家電や通信事業へのシフトを加速させている。
電機業界に詳しい早大大学院の長内厚教授は「液晶を安く多く作る力が重要になっているのに、日本企業は技術で差をつけることに固執してしまった」と分析。その上で「これまで培った技術を生かし、液晶とは違うモノを作る戦略は妥当だ」と指摘した。
[時事通信社]

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