ウルグアイのムヒカ元大統領死去=物欲戒め「世界一貧しい」、89歳
【サンパウロ時事】在任中も清貧を貫き、「世界一貧しい大統領」と呼ばれた南米ウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領が13日死去した。89歳。昨年5月に食道がんを公表していた。大統領府によると、首都モンテビデオ郊外の自宅で妻に見守られて息を引き取った。
オルシ大統領は「深い悲しみ」でムヒカ元大統領の死去を伝え、「あなたが与えてくれた全てのこと、国民に対する深い愛情に感謝する」としのんだ。政府は14日から3日間を国の服喪期間にすると宣言した。
モンテビデオの貧しい農家に生まれた。早くから政治活動に目覚め、1960年代には極左ゲリラ組織に加入。73~85年の軍政時代を通じて獄中生活を送った。出所後に政治活動を再開し、94年に下院議員に初当選。閣僚を経て、2009年の大統領選で当選し、10年から15年まで中道左派政権を率いた。
「ペペ」の愛称で親しまれた。大統領公邸に住まず、給与のほとんどを寄付。国際会議で大量消費社会にはびこる物欲を戒めた。「貧乏な人とは少ししか持たない人ではなく、無限の欲があり満足しない人だ」と唱え、世界から称賛を浴びた。
自身の政権では、人工妊娠中絶や同性婚を容認し、嗜好(しこう)用大麻を世界で初めて合法化した。20年に政界を引退した後も国内外で左派の精神的支柱として影響力を保った。
中南米の首脳が相次ぎ哀悼の意を表した。ブラジルのルラ大統領はX(旧ツイッター)に「社会正義のため、全ての不平等の終わりのために闘うことをやめなかった」と投稿。メキシコのシェインバウム大統領は「特徴的な知恵や思考、素朴さで中南米や世界全体の模範」だったと述べた。
[時事通信社]
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