ナチス関連文書、アルゼンチン最高裁で大量発見 日本から第2次世界大戦中に発送
【ブエノスアイレスAFP=時事】第2次世界大戦時のナチス・ドイツの宣伝文書や党員関連資料など大量の文書が、アルゼンチン最高裁の地下室で発見された。1941年以来、シャンパンの木箱の中に隠されていた。≪写真はアルゼンチン最高裁の地下に保管されていた箱から発見されたナチス・ドイツの関連文書≫
最高裁によると、デジタル化されていない保管資料を移動させていた際、7個の木箱を職員が発見した。「アルゼンチンでアドルフ・ヒトラーのイデオロギーを強化し、広めることを意図した」文書だという。
木箱は9日、ユダヤ人団体「アルゼンチン・イスラエル相互協会(AMIA)」の主任ラビと、ブエノスアイレス・ホロコースト博物館の職員の立ち会いの下、開梱(かいこん)された。
声明によると、ホラシオ・ロサッティ最高裁長官は、「ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)に関する重要情報や、世界的なナチスの資金ルートなど未解明の事柄を明らかにする資料の有無を確認する」ため、「発見された全資料の徹底調査」を指示した。
7個の木箱は、当時日本に駐在していたドイツ外交団がブエノスアイレスのドイツ大使館に宛てたもので、1941年6月、日本の貨物船でアルゼンチンに運ばれた。
ドイツ大使館側は箱の中身は私物と申告したが、税関で差し止められ、「反アルゼンチン活動」に関する特別委員会による調査対象となった。最終的に箱は押収され、最高裁の管理下に置かれた。
アルゼンチンには中南米最大のユダヤ人コミュニティーがある一方で、戦後、多くのナチス高官の逃亡先ともなった。ユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」によれば、同国に逃亡したナチス関係者は数千人に上る。
欧州におけるユダヤ人絶滅計画「最終的解決」に関与した戦犯アドルフ・アイヒマンもその一人だった。アイヒマンは1960年、潜伏先のブエノスアイレスで拉致された後、イスラエルに送致されて裁判にかけられ、1962年に処刑された。
アウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所でおぞましい人体実験を行い、「死の天使」と呼ばれた医師ヨーゼフ・メンゲレもアルゼンチンに渡った後、パラグアイ、ブラジルへと逃れ、同国で死亡した。【翻訳編集AFPBBNews】
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