万博の混雑・暑さ対策強化を=首脳外交、経済効果に期待―識者

大阪・関西万博は13日で開幕から1カ月となり、連日にぎわいを見せている。今のところ、来場者数は当初の想定に届いていないが、会期後半にかけて急増することも見込まれる。有識者は「来場者が増える8月以降が本番」とし、混雑や暑さ対策の強化を求める。参加国首脳との「万博外交」や、経済波及効果に期待する声もある。
◇「連日20万人」想定
政府は閉幕までに2820万人の来場を想定しており、1日平均で15万人が訪れる計算となる。開幕1カ月間では一度も15万人を達成していないが、過去の万博では会期後半にかけて大幅に増加することも多かった。
今回の万博誘致に携わった大阪公立大の橋爪紳也特別教授は「準備段階で来場者を入れてテストする期間が短く、現場が日々個別の対応に追われている」と指摘。「安全面を考えると、暑さが増す8月以降に連日15万~20万人が入ることを想定し、今から対策を練るべきだ」と訴える。
◇日本、存在感発揮を
今回は、国内開催の万博で過去最多となる158カ国・地域が参加。多くの国では「ナショナルデー」に合わせて首脳らも訪日する。万博の歴史を研究する京都大の佐野真由子教授は、ロシアのウクライナ侵攻など世界情勢の悪化も踏まえ「日本はホスト役として各国同士がつながる場を設けることが大切だ。国際社会での存在感を高める機会にしてほしい」と期待する。
また、多言語の自動翻訳アプリを活用し、来場者が各国スタッフらと気軽に会話できることも今回の特徴とし、「展示を見るだけでなく、人と人が対話することでそれぞれの文化が多様で対等だと考えるきっかけになる」と語る。
◇経済効果は「順調」
民間シンクタンクのアジア太平洋研究所(大阪市)によると、今回の万博の経済波及効果は推計2兆7457億円。この試算に携わった大阪経済大の下山朗教授は、関西全体で観光客が増加し、景況感に大幅な改善が見られるとして「現段階としては順調だ」と分析する。
ただ、待ち時間の長さが万博への来場を敬遠する一因になっているとし、「会場内の流動を良くし、パビリオンの予約を取りやすくすることが大切だ」と強調した。
[時事通信社]
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