2025-05-12 15:43経済

4月企業倒産、828件=物価・人件費上昇が中小圧迫―商工リサーチ

企業倒産の推移
企業倒産の推移

 東京商工リサーチが12日発表した4月の企業倒産件数(負債総額1000万円以上)は前年同月比5.7%増の828件と、4月としては11年ぶりの高水準となった。物価高や人手不足に伴う人件費の上昇が収益を圧迫し、経営基盤の弱い中小企業を中心に倒産が増加した。
 負債総額は9.3%減の1028億200万円。負債1億円以上の倒産件数が減少し、総額を抑えた。一方、負債1億円未満の小規模倒産は11.3%増となり、全体の8割弱を占めた。
 「人手不足」が原因の倒産は36件(前年同月25件)に増加。「物価高」による倒産も56件(同60件)と高止まりが続く。
 産業別の倒産件数では、サービス業が10.6%増の292件と4月として過去最多を更新。建設業が4.1%増の152件、小売業が32.5%増の106件と続いた。 
 商工リサーチによると、現時点でトランプ米政権の高関税政策の影響は限定的という。ただ、中小企業ではコロナ禍で過剰債務を抱えたままのケースも多く、「製造業を中心に今後、関税政策で受注が減少して倒産が増える可能性がある」と分析する。

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