印パ、即時停戦で合意=米仲介、緊張激化に歯止め―テロ事件受け報復の連鎖
【ニューデリー、ワシントン時事】トランプ米大統領は10日、インドとパキスタンが即時停戦で合意したと明らかにした。印パ両政府も停戦を発表した。4月下旬に印パの係争地カシミール地方で起きたテロに対する報復として、インドがパキスタン領内を攻撃。それ以降、両国が攻撃を応酬し、緊張が激化していた。事実上の核保有国である両国の全面衝突を回避するため、米国などが仲裁に動いていた。
トランプ氏は自身のSNSで「米国の仲介で印パ両国が即時かつ完全な停戦で合意した」と表明。「両国が常識と優れた判断力を発揮したことに祝意を表する」と述べた。
これに先立ち、ルビオ米国務長官がパキスタンの軍トップであるムニール陸軍参謀長やダール副首相兼外相、インドのジャイシャンカル外相と相次いで電話会談。印パの緊張緩和を促し、さらなる衝突を回避するため米国の支援を申し出ていた。
インドのミスリ外務次官は10日の記者会見で、印パ両軍の幹部が同日午後に電話で会談し、停戦で合意したと明らかにした。12日に両軍間で再び協議を行うという。
パキスタン軍は10日未明(日本時間同日午前)、首都イスラマバード近郊ラワルピンディを含む国内3カ所の空軍基地がインド軍の攻撃を受けたとして、反撃作戦を行った。シャリフ首相は、核兵器の運用を担う最高意思決定機関「国家指令本部(NCA)」の会合を開くと表明。しかし、その後ハワジャ国防相がNCAの開催予定はないと否定するなど、情報が錯綜(さくそう)した。
報道によれば、パキスタン軍は反撃としてインド北部にある超音速巡航ミサイル「ブラモス」の保管施設を破壊。インド・パンジャブ州パタンコートの飛行場などにも打撃を加えた。インド軍が軍事作戦開始時に目標としていた「テロリストの施設」にとどまらず、主要軍事施設を狙ったことで衝突は急速にエスカレートした。
AFP通信によると、シャリフ氏は反撃作戦に関して声明を出し、「罪のない人々が流した血の報復を果たした」と強調した。係争地カシミール地方のパキスタン側では、インド軍の砲撃により9日夜以降少なくとも民間人11人が死亡、56人が負傷した。
[時事通信社]
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