中国、台湾の引きはがし狙う=新教皇と「関係改善」期待
【北京、台北時事】中国の習近平政権は、新ローマ教皇レオ14世率いるバチカン(ローマ教皇庁)との関係改善を図る方針だ。バチカンは欧州で唯一台湾と外交関係を持ち、中国とは断交している。フランシスコ前教皇の下で歩み寄りの動きがあったため、習政権はその機運が続くことを願う。台湾からバチカンを引きはがし、国交樹立につなげることを狙っている。
中国外務省の林剣副報道局長は9日の記者会見で、新教皇への「お祝い」を表明。「バチカンが建設的精神で中国側と対話を継続し、関係改善を共に推進するよう望む」と述べた。新華社通信によると、中国政府公認のカトリック2団体が新教皇に祝電を送った。
中国共産党政権は、教皇による中国内の司教任命を「内政干渉」と見なし、バチカンと長年対立。しかし、双方は2018年に任命権を巡る暫定合意に達した。中国側が司教候補を選び、教皇が最終判断する形式で折り合いをつけているとされる。
23年には、バチカンのウクライナ和平特使が異例の訪中を果たした。習政権は、14億人の人口を持つ中国で信徒拡大を図りたいバチカン側の思惑を踏まえ、今後も対話の機会を増やしていく考えだ。
台湾はこうした中国の動きを警戒する一方で、民主主義や宗教の自由の価値観をてこに、米国出身の新教皇が台湾との関係を維持・強化することを期待する。中央通信社によると、台湾の李世明・前駐バチカン大使は、23年に面会した新教皇が「民主主義の台湾と共産主義の中国をはっきり区別していた」と指摘した。
台湾外交部(外務省)は9日、頼清徳総統が新教皇に祝電を送ったと発表。頼氏は、バチカンと共に「平和や正義、宗教の自由」を引き続き追求したいと強調した。
[時事通信社]
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