米政権、対外政策に停滞の恐れ=「司令塔」機能低下、同盟影響も
【ワシントン時事】ウォルツ米大統領補佐官(国家安全保障担当)の事実上の更迭に伴い、トランプ政権の外交・安保政策は当面、停滞する恐れもある。対外政策を推進する「司令塔」の機能低下は、日本を含む各国との関係にも影響を及ぼす見通しだ。
ウォルツ氏は1日朝、ホワイトハウス前からテレビ番組に出演し、インタビューに約5分間応じた。直後に米国人記者がX(ツイッター)上でウォルツ氏解任の情報を拡散。米主要メディアが追随すると、トランプ大統領は午後になって国連大使への「降格」を発表した。
通信アプリ「シグナル」で軍事作戦を米誌記者に誤送信した3月以降、ウォルツ氏の政権内での影響力は低下。象徴的だったのは4月初め、トランプ氏が自身の支持者である極右活動家の進言を受け入れ、ウォルツ氏に近い国家安全保障会議(NSC)の複数の高官を解任したことだ。ウォルツ氏の更迭も時間の問題とみられていた。
トランプ氏は政権1期目、就任3週間余りで当時のフリン大統領補佐官(同担当)を事実上解任した。就任前に駐米ロシア大使と接触した事実を隠したことが発覚したのを受けた決断で、この時と同様、メディアの批判に屈したとの印象を与えるのを避けるため「解任」のタイミングは慎重に選んだもようだ。4月29日には就任100日の節目を越えていた。
そもそも同盟関係を重視し、ロシアや中国、イランに対する強硬姿勢で知られるウォルツ氏を、他の側近は「対外関与に懐疑的で、イランとの核合意や対ロ関係正常化を望むトランプ氏にはタカ派過ぎるとみていた」(米紙ニューヨーク・タイムズ)。ホワイトハウス内部で路線対立があったとみられ、後任次第では自国優先主義が一層強まる可能性もある。
シグナルを巡る問題では、ヘグセス国防長官も機密情報を漏らしたとして厳しい批判にさらされ、更迭論が浮上している。ウクライナ停戦交渉などの外交政策で目立った進展が見られない中、トランプ氏は早くも外交・安保チームの立て直しを迫られている。
[時事通信社]
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