大屋根リング、万博後も保存案=維持費の負担割合課題に

大阪・関西万博の会場シンボル「大屋根リング」。世界最大の木造建築としてギネス世界記録に認定され、連日多くの来場者でにぎわう中、関係者の間ではリングの閉幕後の扱いが焦点の一つとなっている。日本国際博覧会協会は、一部を「レガシー(遺産)」として保存する方向で国、地元の大阪府・市、経済界との調整に着手したが、維持費の確保が大きな課題として浮上している。
リングは1周約2キロ、高さ12~20メートルで、外径約675メートル。府・市が4月11日にまとめた万博会場の跡地活用に関する基本計画(初版)には、全長の10分の1に当たる約200メートル分を残す案が盛り込まれた。これを受け、協会は保存案を軸に検討。関係者が合意すれば、6月の理事会で正式決定したい考えだ。
協会は当初、閉幕後にリングを全て解体・撤去する予定だった。しかし、約350億円とされる巨額の建設費に「無駄遣い」との批判が集まり、再利用や一部保存による活用が現実味を帯びた。
問題は財源をいかに確保するかだ。会場建設費2350億円には、リング保存のための改修、維持管理の費用は計上されていない。建設費は既に2度も上振れしており、協会はこれまで「これ以上の追加支出はない」と明言してきた。
建設費は国、府・市と経済界が3分の1ずつ負担する取り決めだが、リング保存のために新たな費用が発生した場合、「誰が負担するかは決まっていない」(協会幹部)。
協会側は今後、会場跡地の開発事業者の負担とすることも視野に、費用分担の協議を急ぐ考え。ただ、財界関係者からは「今の時点で経済界が『ぜひ残しましょう』となることはない」との声も上がっており、財源確保の見通しは不透明となっている。
[時事通信社]

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