「米国第一」世界に背=成果なき貿易・外交秩序破壊―株価も支持率も下落・トランプ政権100日
【ワシントン時事】トランプ米大統領が2期目をスタートして29日で100日。自国の利益を最重視する「米国第一」外交は同盟国の信頼を失い、ほぼ全ての貿易相手国に課した高関税は、戦後の繁栄を支えた自由貿易体制を根底から揺るがした。超大国たる力の源泉の否定は果実を生まず、米株価や政権支持率は軒並み下落している。
「大いなる転換」を宣言したトランプ氏は、27日までに137本の大統領令を発令。バイデン前大統領が4年間で署名した162本に迫る勢いだ。政策執行には大統領の超法規的措置を認める緊急事態宣言を多用する一方、法成立は5本にとどまり、政権運営はワンマンぶりが際立つ。
一連の高関税政策は報復関税の連鎖を生み、貿易戦争の懸念を強めた。就任時に4万4000ドル前後で推移したダウ工業株30種平均は、25日現在4万113ドルに下落。債券やドルも売りを浴びる「トリプル安」に直面し、政権は軌道修正を図るものの、市場の動揺は収まらない。
「就任後24時間で終わらせる」と豪語したロシアのウクライナ侵攻は、停戦仲介が難航。北大西洋条約機構(NATO)加盟国などへの敵対的な言動により「米国抜き」の安全保障協力を模索する同盟国も出始め、米国が西側陣営を主導する国際秩序は一変した。サリバン前大統領補佐官(国家安全保障担当)はABCテレビに、「米国の信用が甚大なダメージを受け、中国がその恩恵を受けている」と指摘する。
国内では、実業家イーロン・マスク氏と共に政府機関の「ムダ削減」を断行。連邦職員230万人超のうち少なくとも約13万人が、解雇されたり早期退職に応じたりした。一時約30万人に達した南部国境からの一月当たりの不法越境者は、看板政策である不法移民の強制送還の効果で、先月は約1万人まで減少した。ただ、いずれの施策も乱暴で不透明な手続きに批判が強まる。
政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」がまとめた各種世論調査の平均によると、トランプ氏の支持率は就任直後の50.5%から45.4%へ低下。強みとされた「経済」や「移民」の政策項目でも評価を落とし、「蜜月は終わった」(ニューヨーク・タイムズ紙)と指摘されている。
[時事通信社]
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