石破首相、万博成功へ積極発信=維新に秋波、政権運営にらみ
石破茂首相は12日、大阪市の大阪・関西万博会場で開かれた開会式に出席し、成功を目指して発信に努めた。全国的な盛り上がりに欠ける中、5日のリハーサル視察に続いて2週連続の現地入り。今後の政権運営をにらみ、万博に力を入れる日本維新の会をつなぎ留める思惑も見え隠れする。
首相は開会式のあいさつで、「世界中から(万博へ)おいでになった皆さまに、日本各地を訪れ、新たな日本の魅力を発見いただきたい」と語り、インバウンド(訪日客)の増加に期待を示した。
首相は全閣僚に公式キャラクター「ミャクミャク」ピンバッジの着用を求め、3月にファッションイベント「東京ガールズコレクション」にミャクミャクとコンビで登場。2025年度予算成立を受けた今月1日の記者会見でも縫いぐるみを用意させ、PRした。
万博の開催はカジノを含む統合型リゾート(IR)の整備と並び、維新が旗振り役を務めてきた。両事業はともに大阪湾の人工島「夢洲」が舞台。その成否は維新の消長に影響する。
維新の前原誠司共同代表は、党の支持率が停滞する理由として「万博がそれほど盛り上がっていない」点を挙げる。実際、各報道機関の世論調査で「行きたい」と答えた人は2~3割。前売り入場券の販売目標1400万枚達成は困難との見方が出ている。
少数与党の石破政権は高校無償化に関する維新の要求をのみ込んで25年度予算を成立させるなど、綱渡りの国会運営が続く。今後も米関税対策などで補正予算案の編成が必要になれば、野党の協力は不可欠。今国会の会期末には内閣不信任決議案を巡る攻防も予想され、維新との関係は政権の命綱になる可能性がある。
首相が前売り券の販売低迷を受けて当日券の導入を決めたのは、維新を率いる吉村洋文大阪府知事の要望を踏まえた対応だ。12日の開会式で、吉村氏は「誘致から10年間準備をしてきた。個性豊かなパビリオン、大屋根リング、素晴らしい万博会場ができあがった」と胸を張った。
会場建設費は国と大阪府・市、経済界の3者で負うが、運営費の収支が赤字となった場合の対応は決まっていない。公費負担となれば反発が予想され、吉村氏ら維新と首相は成功を懸けた運命共同体とも言える。
「うまくいけばアピールになるが、失敗に終われば政権たたきの材料にされる」。ある自民党幹部は懸念を口にした。
[時事通信社]
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