テスラ車オーナー、マスク氏の米政治進出に不満
【ワシントンAFP=時事】米バージニア州の元弁護士、トム・ブラックバーン氏(73)は、テスラの電気自動車(EV)を持つことを心から誇りに思い、10年以上前に真っ赤な目立つ車両を購入した。しかし今、トランプ政権下で政治に参入した同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)を見て、この会社からは二度と車を購入しないと誓った。≪写真は、テスラのショールームの外で、イーロン・マスク氏に対する抗議活動に参加する人々。ワシントン州シアトルにて≫
マスク氏は、ドナルド・トランプ大統領による政府の支出削減を後押しすることで米国社会を分断し、違法かつ非道徳的だと批判されている。
今、その論争は、かつて環境意識の高い消費者に愛された先駆的なEVブランド、テスラに飛び火しつつある。
「今となっては、これを運転するのが少し恥ずかしい」とブラックバーン氏はAFPに語る。「テスラというブランドに失望している」
昨年からブラックバーン氏の車のバンパーには、「彼(マスク氏)が狂っていると知る前にこれを買った」と書かれたステッカーが貼られている。「今はもっと強いメッセージのステッカーが必要だと思う」と冗談めかして語った。
マスク氏は2008年にテスラのCEOに就任し、同社を時価総額世界一の自動車メーカーへと成長させた。
しかし、アナリストたちは、欧州の極右政党を支持したり、SNSで陰謀論を拡散したりといったマスク氏の政治的な行動が、これまでリベラル層が中心だったテスラの市場を孤立させる可能性があると指摘する。
デザイン・コンサルティング会社「エルムウッド・ブランド・コンサルタンシー」のグローバルCEO、ダニエル・ビンズ氏は、「彼(マスク氏)はブランドとビジネスに長期的に悪影響を及ぼす」と予想する。
テスラはマーケティングにおいて、マスク氏との関係を「切り離す」必要があると同氏は指摘する。「さまざまな面で、ブランドとターゲット層が一致していない。そして、市場には優れた競合他社がひしめいている」
■「マスク氏支持の象徴」
ボストン都市圏の整形外科医、クメイト・ジャロジェ氏(40)は、所有するテスラ製ピックアップトラック「サイバートラック」の売却を考えている。AFPには、過去に「ナチスは消えろ」と書かれたメモを車体に貼られたことがその理由だと語った。
同氏は昨年、経営する美容整形外科を宣伝するために金色のサイバートラックを購入したが、以来、走行中に罵声を浴びたり、他の車両に割り込まれたりするようになったという。
「(テスラ車を)運転しなくなった」とジャロジェ氏。「テスラは今や、マスク氏支持の象徴のようになってしまった。実際はそうではないにもかかわらずだ」と続けた。
米歌手シェリル・クロウさんは1月、マスク氏に抗議するため自身のテスラ車を売却し、その売上をトランプ政権による補助金削減に直面している米公共ラジオNPRに寄付すると発表した。【翻訳編集AFPBBNews】
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