2025-03-20 20:26スポーツ

40歳、力強く苦手撃破=玉鷲、衰え知らずの馬力―大相撲春場所

玉鷲(左)は押し出しで霧島を破る=20日、エディオンアリーナ大阪
玉鷲(左)は押し出しで霧島を破る=20日、エディオンアリーナ大阪

 40歳とは思えない力強い攻めだった。玉鷲はもろ手で当たり、霧島を猛然と突く。右おっつけ、強烈な左喉輪で相手をのけぞらせて押し出し、「しっかり前に前に、と思っていた」。終盤戦でも、馬力は衰え知らずだ。
 過去2勝11敗の霧島には5連敗中で、苦手意識があった。堂々の勝ちっぷりで2年前の初場所以来の白星。支度部屋の風呂場から高笑いが響いたが、「自分じゃないよ」とちゃめっ気たっぷり。「霧島関に勝ったら、そりゃ喜ぶよ」と続けた。
 今場所は伯桜鵬や尊富士、平戸海ら生きのいい若手を次々と倒した。師匠の片男波親方(元関脇玉春日)は「相手が若いと、自分の存在感を出したい気持ちが強くなるんじゃないか」。玉鷲自身は「早く追い越してほしいよ」と余裕の笑みを浮かべるものの、その裏側には激しい意地もある。
 優勝2度の実力者。トップを1差で追う賜杯争いについては「気にしていない」と述べ、同じ一門の「高安関に優勝してほしい」。何度もあと一歩のところで涙をのんできたベテランの悲願達成を願いつつ、「当たったら、しっかりやりたい」とも。朗らかな表情が勝負師の顔に変わった。 
[時事通信社]

最新動画

最新ニュース

写真特集