当局が著名書店捜索=言論封じに懸念―イスラエル
【エルサレム時事】イスラエルが一方的に併合した東エルサレムのパレスチナ人居住区にある著名な書店が11日、イスラエル当局の捜索を受け、多数の書籍が押収された。捜索は2月9日に続き2度目。パレスチナ自治区ガザでの軍事作戦などを経て、社会の右傾化に拍車が掛かるイスラエルでの言論封じ込めに対する懸念が高まっている。
捜索されたのは「エデュケーショナル書店」で、パレスチナ問題に関する学術書や文芸書を多数扱っている。地元報道によると、イスラエル警察は「テロを扇動する本」が置かれていた疑いを主張し、経営者らを一時拘束。言語学者のノーム・チョムスキー氏の著作や、パレスチナに同情的な正体不明の路上芸術家バンクシーの作品集などが押収された。関係者の話では、捜索は令状なしで行われたとされる。
今月12日、取材に応じた書店の共同経営者イマド・ムナ氏(60)は「捜査員は話を聞こうともせず、手当たり次第に本を押収していった」と指摘。同氏も一時拘束されたが、数時間後に「容疑がない」として解放された。ムナ氏の説明では、店が扱う本は全て、法規に従ってイスラエル国立図書館にも収められている。
イスラエルではパレスチナ人の視点や歴史観を反映した書籍があまり流通していない。エデュケーショナル書店は異彩を放っており、研究者やジャーナリストから高く評価されている。
ドイツのザイバート駐イスラエル大使はX(旧ツイッター)で、書店をイスラエルとパレスチナの平和的な対話のシンボルのような存在と位置付け、「その書店主を拘束することに何の目的があるのか」と非難した。
[時事通信社]
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