町工場の技術、世界に発信=「困りごと解決」へ、未来型製品―大阪の中小企業、万博で

大阪・関西万博は、大阪に拠点を置く「町工場」の技術を世界に発信する機会になる。身の回りの「困りごとの解決」を目指し、大阪商工会議所の仲介などから中小企業同士が連携。「揺れにくい車いす」「自動で温度調節されるジャケット」など、未来を見据えた実験・実証段階の製品をお披露目する。
バネ製造のニシト発条製作所(大阪市)などが開発中の車いすは、座面が常に水平に保たれる構造が特長。従来の車いすは坂道や砂利道を移動する際に座面が傾き、利用者は不安定さを感じてしまう。賛同企業の金属加工技術などを持ち寄って内部構造を見直し、利用者、介助者双方の負担を軽減した。究極の目標は「宙に浮いている感覚の車いす」という。
身に着けるだけで自動で最適な着心地となるジャケットを手掛けるのは、東阪電子機器(大阪府吹田市)を中心にした7社。眼鏡型などの端末から装着者の体温や心拍数、脳波などの生体情報を読み取り、ジャケット内部の温度を自動調整する。暑さ、寒さに対応し、作業場の従業員の負担軽減につなげる考えだ。成光精密(大阪市)などのグループは、化石燃料の消費を最小限に抑えた飛行船を開発。自然災害時の物資輸送に活用することを目指している。
これらの製品は「大阪ヘルスケアパビリオン」内で10月に展示する。実用化のめどは立っていないものの、世界各国からの来場者に自社の技術やアイデアを披露することで、新たなビジネスが生まれる可能性に期待。ニシト発条製作所の西尾光司専務は「柔軟性を持って小回りが利くのが中小の町工場」と自信を見せる。万博は、将来的な市場参入の道を広げる絶好の機会となりそうだ。
[時事通信社]


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