首相自ら万博入場券てこ入れ=維新との「蜜月」PRも

大阪・関西万博で当日券の導入が決まった。背景には、開幕まで2カ月を切っても入場券販売が低迷していることへの関係者の焦りがある。石破茂首相はトップダウンによる軌道修正で、チケット販売のてこ入れを図る。今回の決定は日本維新の会代表の吉村洋文大阪府知事からの要望を丸のみする形で、2025年度予算案修正が大詰めを迎える中、維新との「蜜月ぶり」をアピールする狙いも透けて見える。
万博入場券は23年11月に販売が始まり、通常より割安となる期限の24年10月にかけて売り上げが伸びたが、その後は停滞。特に個人による購入が伸び悩んでいる。
日本国際博覧会協会はこれまで、入場ゲートやパビリオンで待たずに楽しめる「並ばない万博」を掲げ、オンラインによる来場日時の事前予約制を導入。会場の人工島「夢洲」はアクセスできる交通機関が限られる上、入場ゲートが狭く、事前予約で混雑回避や安全確保を図る狙いもあった。
しかし、予約手続きには専用サイトで氏名やメールアドレスを登録し、「万博ID」を取得することなどが必須とされ、「手続きが煩雑だ」との批判が相次いだ。このため、協会は昨秋からコンビニで買える「紙チケット」を導入。紙チケットには条件付きで予約無しでも来場できる選択肢を追加したが、販売は一向に好転しなかった。
当日券の導入を巡っては、吉村氏が今月5日、首相に直談判していた。入場券収入は万博運営の柱で、販売不振が続けば収支が赤字に陥る恐れもある。関西経済連合会幹部は「必死になってチケットを売る」と強調する。
首相表明を受け、吉村氏は記者団に「要望をしっかり受けていただいた」と満足そうに語った。ただ、協会内には「吉村氏のパフォーマンスでは」との不満もくすぶる。
一方、万博への関心は依然低い。24年10月、三菱総合研究所が20~60歳代の男女3000人を対象に実施した万博に関するインターネットのアンケート調査では「来場意向がある」との回答が24.0%にとどまった。担当者は「万博の魅力発信を強化するとともに、開催意義を改めて説明する必要がある」としている。
[時事通信社]
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