仲介者として「中立」重要=ガザの人質移送でICRC広報官
パレスチナ自治区ガザでの停戦合意を受け、イスラム組織ハマスが拘束する人質の解放と、イスラエルが収監するパレスチナ人の釈放が進んでいる。拘束を解かれた人の故郷への帰還を仲介する赤十字国際委員会(ICRC)のデイビス広報官は時事通信のオンライン取材に応じ、具体的な引き渡し手順を説明するとともに、「中立」の立場で活動する重要性を訴えた。
人質解放について、デイビス氏は「引き渡しの場所は当日、ICRCに知らされる」と説明。解放される人質の健康状態は対面するまで分からないため、あらゆる事態を想定し、医師などで構成する6~8人のチームが現場に赴くという。
「ICRCはただ車で送迎しているだけじゃないかと言う人もいるが、それは違う。引き渡しは非常に複雑で、危険が伴う」とデイビス氏は強調。1年3カ月に及んだ戦闘で荒廃したガザには、倒壊した建物などのがれきで通れない道がある上、不発弾も多く残る。移送を円滑に進めるには、綿密な準備が必要だ。
1月の引き渡しではICRCの車列に群衆が殺到し、動いている車両の上に乗ろうとする人も見られた。現場の混乱は解消しつつあるが、ICRCは解放された人質や囚人が好奇の目にさらされない形で引き渡しを行うべきだと求めている。
世界の紛争地で人道支援に当たるICRCは、衝突するどの集団の側にも付かない「中立」の原則を掲げる。ガザの活動に際しても、イスラエル当局やハマスと直接対話して国際人道法の順守を要請するが、その内容は明かさない。
多数の犠牲者を出した紛争の当事者と話し合う姿勢は、時に批判の的になるが、デイビス氏は「誰かや何かを非難するのはICRCの役割ではない」と断言。「必要とする全ての人に支援を届けるには、中立な存在として信頼を得ることが不可欠だ」と強調した。
[時事通信社]
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