2025-02-18 20:50

自民、非課税枠「160万円」案=年収200万円以下が対象―「壁」見直し、19日再協議・3党税調会長

 自民、公明、国民民主3党の税制調査会長協議が18日に行われ、自民は、所得税が課される年収の最低ラインである「103万円の壁」の見直しを巡り、年収200万円相当以下の人を対象に、非課税枠を160万円に拡大する案を示した。3党は19日に再協議する。
 3党税調会長協議は昨年12月に中断して以来2カ月ぶり。新たな自民案では、低所得者ほど非課税の恩恵を受けられる仕組みとする。年収200万~500万円の人も非課税枠を広げる。
 年収200万円以下の場合、原則一律で適用される「基礎控除」に関し、従来の見直し案の58万円からさらに37万円上乗せする措置を恒久的に実施。会社員らの給与から差し引く「給与所得控除」の見直し分(65万円)と組み合わせると、課税水準は年収160万円に引き上がる。
 年収200万~500万円以下の人も物価高騰対策として、25、26年の2年間に限り基礎控除を10万円上乗せする。
 協議で自民側は見直しに伴う減収額に関し、200万円以下のケースで400億円前後、200万~500万円以下のケースで千数百億円程度になると説明。物価上昇を踏まえ、基礎控除の水準を随時見直すことも提案した。
 協議後、自民の宮沢洋一税調会長は記者団に「生活が厳しい方への特例という考えを新たに加えた」と説明。一方、国民民主の古川元久税調会長は「国民生活に寄り添った内容になっていない」と批判。公明の赤羽一嘉税調会長は「200万円が妥当なのか党内で議論する」と述べた。
 103万円の壁を巡り、3党幹事長は昨年12月、国民民主が主張する178万円を目指し25年から引き上げることで合意した。ただ、税調会長協議では123万円を提案した自公に国民民主が反発し、協議は中断していた。 
 ガソリン税の暫定税率廃止は国民民主は25年4月からの廃止を求めているが、自民側は協議で26年度税制改正で議論することを提案。古川氏は「時期を明示して、暫定税率分の減税を行うことを求めていきたい」と話した。
 衆院で少数与党となった自公が25年度予算案と税制改正関連法案を成立させるには、野党側の協力が不可欠な情勢だ。
 

 ◇自民提案のポイント
 一、年収200万円以下の人は基礎控除額を37万円上乗せ。所得税の非課税枠を160万円に引き上げ
 一、年収200万~500万円以下は25年から2年間基礎控除を10万円上乗せ。27年以降は26年度税制改正で検討
 一、年収200万円以下の基礎控除上乗せに伴う税収減は400億円
 一、物価上昇を踏まえ、基礎控除の水準を随時見直し
 一、ガソリン税暫定税率の廃止は26年度税制改正で議論
[時事通信社]

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