有本明弘さん死去=拉致被害者恵子さんの父―96歳、再会かなわず

北朝鮮による拉致被害者の有本恵子さん=1983年欧州で失踪、当時(23)=の父明弘(あきひろ)さんが老衰のため、15日午前0時10分、神戸市長田区の自宅で死去した。96歳だった。17日、遺族が明らかにした。葬儀は16日に近親者で済ませた。
恵子さんはロンドン留学中の83年にコペンハーゲンから家族に宛てた手紙を最後に、欧州で消息不明となった。88年に石岡亨さん=同(22)=から日本に届いた手紙で、恵子さんが北朝鮮にいることが判明。明弘さんは妻嘉代子さん=2020年2月、94歳で死去=と共に国会議員や外務省、警察に安否の確認を求め、足を運び続けた。
日本政府は日航機「よど号」ハイジャックのメンバー元妻の供述などから、同メンバーが欧州から北朝鮮への恵子さん連れ去りに関与したと断定。02年に恵子さんを拉致被害者に認定した。
明弘さんは鉄工所を営みながら拉致被害者全員の早期救出、帰国を訴えた。拉致被害者家族連絡会(家族会)の副代表も務め、北朝鮮への圧力強化などを主張。「恵子が生きているのははっきりしている。自分が生きている間に拉致問題を解決させたい」と語っていた。
遺族によると、明弘さんは昨年秋に2週間ほど入院。退院後は徐々に食欲が落ちていったが、亡くなる3日前までは立ち上がることができた。家族に見守られ、穏やかに息を引き取ったという。
拉致被害者の親世代で存命なのは横田めぐみさん=拉致当時(13)=の母早紀江さん(89)のみとなった。
[時事通信社]


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